2022.9.28勉強会報告『経済安全保障に関する法改正による企業法務への影響』

今回も前回同様、三村雄一税理士事務所(Zoom併用)で開催いたしました。講師は、行政書士の大澤健太先生にお願い致しました。経済安全保障を軸に今世界で起きている様々な問題にアプローチしたお話をして頂きました。特に士業に関わりが深い内容を抜粋してまとめます。

ロシア制裁によるサービス提供への影響

外為法により、令和4年9月5日以後ロシア連邦向けの信託サービス・会計・監査サービス、経営コンサルティングサービスの提供が許可制になりました。弊所としては、日本と中国がメインになるので問題なさそうですが、駐在事務所等では注意が必要になりそうです。その他、ロシア制裁によって特に輸出輸入に多大な影響が出ています。

見做し輸出管理の厳格化

他国の技術を優秀な人材から収集する動きが主に中国で見受けられます。更に、他国の競争力低下を狙った市場確保の動きも合わさり、事態は複雑になっています。今後、優秀な人材の確保と労働環境の改善、シェアのある市場をルールメイキングによって防衛するようなアプローチが重要になりそうです。

自社に必要な資材の軍事転用の可能性

医薬品や半導体、石油ガス等の生活基盤に関わる資材はもちろん、転用可能か判断が難しい資材が戦略物質として扱われる可能性があります。あからさまな特許申請により、他国の政府から事業への影響が出ている企業も既にありますし、先に挙げた資材だけでなく一見関係のなさそうな事業でさえ無関係とは言えない状況にあります。

まとめ

経済安全保障の観点から様々な問題へのアプローチ、何よりここ数年で起きている事象それぞれが密接に関わっている事が大変よくわかりました。国と経済、市場から人材まで一つ一つが無ければ成立していない世の中で、グローバル化が招いたのは自由では無いのかもしれません。

懇親会の御礼

先日はご足労頂きまして誠にありがとうございました。今回は講師いただいた大澤先生の補助の方も同席していただき、私の知る限りでは人数の多い回となりました。私も補助の身ですので、今後ももし希望者がいれば補助の方等もご参加いただけると幸いです。次回もよろしくお願い致します。