今回も前回同様、三村雄一税理士事務所(Zoom併用)で開催いたしました。講師は、弁理士の中村祥二先生にお願い致しました。アメリカの商標取得について詳しくお話頂きました。度々、ニュースでも話題になる商標ですが、アメリカの商標については知る機会が無かったので興味深かったです。
登録主義と使用主義
日本や中国など多くの国では、登録主義に基づいて商標が成立しています。登録申請が無事に通れば、使用しているか否かはあまり問われず権利を持つため、度々商標に関するトラブルがニュース等で取り上げられます。それに対して、アメリカは使用主義に基づいて商標が成立しています。例えば、構えたお店の看板やロゴが商品のパッケージにデザインされている等が登録において重要視されている、ということです。
使用宣誓書と使用証拠
使用主義に基づくため、登録申請においても使用している、もしくは、使用する予定であることを宣誓する必要があります。また、実際に登録したい商標をどのように用いているかを写真等で証明する必要があります。この使用証拠が適切でないと否認されてしまいます。そして、無事に登録されたとしても登録主義の国のように更新すれば良いのではなく、都度、使用証拠を提出しないと剥奪されてしまいます。
翻訳と現地の認識
日本からアメリカの商標を取る際は、まず日本の弁理士に依頼し、アメリカの代理人に弁理士から依頼する形がポピュラーです。ここで問題になるのが翻訳と現地の認識です。辞書的には正しく権利の範囲を指定しても、現地側の一般的な認識だと誤訳になる場合があります。こういった場合で否認されると、やり直しになってしまうのでコストや時間が浪費される可能性もあるようです。
まとめ
感想としましては、まず使用主義に基づいた商標というのはとても温かみがあります。登録主義というのは、言ったもの勝ちになる要因でありトラブルの温床です。デザインに触れていた身としても、目的に沿ったロゴやデザインが実際に使われてるかどうかで権利を与えられるというのは関わっている全てに対して誠実な印象を持ちました。愛着のある名前やロゴが第三者に奪われたり、脅かされるのは大変悲しい事であり、許し難いことです。容易ではないと思いますが、日本も使用主義への転換を図って欲しいと願います。
懇親会の御礼
昨日はご参加いただき誠にありがとうございました。私が参加した回の中では、最も人数の多い回となりました。検索から新規参加の申出もあり、ブログを更新してる身として大変嬉しく思います。ここ数回、イタリアンのお店が多かったのでメキシコ料理店を予約しましたが、雰囲気や味の評判が良く安心致しました。次回は、読書会を予定しております。中々、ボリュームのある図書ですので、可能な範囲で読んで頂き、気軽にご参加いただけると幸いです。